社会保険労務士試験の合格難易度はどれくらい高い?
社会保険労務士になるためには、さまざまな資格や知識が必要です。社会保険労務士になるための試験はどのぐらいの合格難易度なのでしょうか。この記事では、社会保険労務士試験の合格難易度や受けるために必要な資格を紹介します。社会保険労務士試験の対策方法も解説するので、試験を受ける方は参考にしてください。
社会保険労務士試験の合格難易度
社会保険労務士になるための試験は、難易度が非常に高いといわれています。合格率は、直近数年の平均で6~7%程度です。年によって多少のばらつきはありますが、かなりの難関資格と判断できます。ここからは、難易度が高い理由について紹介します。一番大きな理由は、試験項目が多いことです。
試験科目は、全部で10科目あります。また、頻繁に法改正されるので、常に最新の情報を把握しておかなくてはいけないのです。さらに総合得点と各試験科目にはそれぞれ合格点が設けられているのです。そのため、総合得点が合格点を上回っていても、各試験科目の中で1科目でも合格点を下回っていたら不合格となります。
2つ目の理由として、科目合格制度がないことが挙げられます。前回合格した科目は、次の試験では免除されるという科目合格制度がある資格も存在するのです。しかし、社会保険労務士試験は科目合格制度が設けられていません。前回の試験で合格点に達していた科目は、次の試験時にも合格しなくてはいけないのです。
1日で10科目を受けることになるので長時間の集中力が求められます。試験時間は合計で290分あるといわれています。トイレや水分補給のための退出は認められていますが、問題数も多いことから時間を無駄にはできません。自分なりに工夫しながら退出可能時間を有効に使用する必要があります。
社会保険労務士試験を受けるために必要な資格
社会保険労務士になるためには、必要な資格があります。満たしていなくてはいけない3つの要件について詳しく解説しましょう。
学歴
社会保険労務士試験を受けるためには学歴に要件があります。大学や短期大学を卒業、または専門職大学の前期課程を修了している人でなければいけません。高卒では受験する資格がないのです。短期大学以外の大学の場合は、62単位以上を習得していれば受験可能です。短期大学卒業の人と同じ程度の学力が認められた場合も受験が可能といわれています。
実務経験
3年以上社会保険労務士、弁護士補助、公務員職員として業務を行った経験がある人は受験資格を得ることが可能です。また、3年以上労働組合の職員や法人の労働社会保険諸法令関連の実務に関わっていた場合も受験可能です。実務経験を自分で判断することが難しい場合は、実務経歴証明書と送付状を送り確認を依頼してみましょう。
国家試験
厚生労働省が認めている不動産鑑定士試験や公務会計士試験などの国家試験に合格していれば受験可能です。どの資格が対象となっているかはホームページなどから確認できます。ほかにも認められている試験の合格者もあるので、学習を開始する前に必ず確認しましょう。
社会保険労務士試験の対策方法
難易度が非常に高い社会保険労務士試験ですが、受験前にどのような対策をすればよいのでしょうか。対策方法をいくつか紹介します。
専門学校の講座を利用する
専門学校が用意している講座を利用する方法です。試験対策のために作られた講座があります。社会保険労務士試験を専門としている講師から指導を受けながら学べます。
社会保険労務士を目指す仲間と一緒に学べることは大きなメリットといえるでしょう。決められた時間に通うことになるので、挫折してしまうリスクを減らせるのです。参考書を用意するためには費用がかかる点では注意が必要です。
通信講座を利用する
通信講座を利用して対策をする方法もあります。通信講座の場合は、勉強時間に制約がないので自分で自由に勉強を決められるメリットがあります。専門学校に通うよりも費用は抑えられるでしょう。合格実績があるカリキュラムで学べるので、効率よく勉強することが可能です。講座によっては模擬試験を利用できるところもあるようです。
独学で行う
独学で行うことも不可能ではありません。独学で対策するためには、教材の選び方や効率のよい勉強法の見つけ方がとても重要です。空いた時間にすぐに勉強に取りかかることができるでしょう。試験に合格したいという気持ちが強く、メリハリのある生活習慣を守れる人には独学が向いています。
また、過去に独学で試験勉強をしたことがある人や、自分の弱みを克服する方法を熟知している人は、独学で行ってみてもよいかもしれません。
まとめ
社会保険労務士試験は、非常に合格率が低い試験です。試験科目が10科目あり、試験範囲も広いといわれています。社会保険労務士試験を受けるためには、必要な資格があるので必ず事前に確認しておきましょう。試験対策は、独学でも不可能ではありません。しかし、難易度が高い社会保険労務士試験を受けるためには、専門学校の講座や通信講座を利用しながら効率よく勉強を進めていきましょう。