社会保険労務士と労務管理士の違いとは?双方の特徴を理解しよう!

公開日:2022/08/01   最終更新日:2022/08/18

社会保険労務士

社会保険労務士と労務管理士はどちらも労務管理を行う仕事ですが、違いについて知っている方はあまり多くはないでしょう。仕事の幅や試験内容が変わるため、資格の取得を検討している方はきちんと理解しておく必要があります。そこで今回は、それぞれの特徴について解説します。

社会保険労務士の特徴

社会保険労務士は一般的に社労士と呼ばれ、1968年にできた国家資格です。当時複雑だった労災保険や雇用保険、健康保険、厚生年金などの各制度の専門家として作られ、翌年の1986年から試験が始まりました。試験の内容は年々改正が行われながら徐々に変化し、現在ではかなり難易度が高く合格率が低い国家資格となっています。

社会保険労務士は独立や開業をしている人がほとんどです。主に行う仕事の内容は第一号業務から第三号業務までの3つに分類されます。第一号業務は労災保険や雇用保険、健康保険などの加入から脱退の手続きまでについての書類作成や提出代行業務を行います。

第二号業務は、賃金・労働者名簿、労使協定などの台帳や書類業務です。第三号業務は、人事関係の社員教育、人材配置、行政の補助金等資金調達などのコンサルティング業務です。3つの業務の中でも、社会保険労務士の独占業務と法律で定められている第一号業務と第二号業務が主な仕事になります。

新しく従業員を雇用したときや従業員が退職するときは、必ず第一号業務と第二号業務が発生します。社会保険労務士に仕事を頼むことで、企業は複雑な手続きから解放され、経費の削減にもつながったり、スピーディーで正確な書類作成をしてもらえたり、適切なアドバイスを受けることができたりするといったメリットがあるのです。

労務管理士の特徴

労務管理士は一般的に労務士とも呼ばれ、一般社団法人日本人材育成協会と一般社団法人日本経営管理協会による民間資格です。社会保険労務士とは違って主な仕事の役割は社内人事であり、人事の構築や改善、社員教育などを労働基準法に則って行います。労働基準法や労務管理についてのスペシャリストともいえます。

労務管理とは、企業で働いている労働者の働く環境を管理する仕事のことです。社会保険労務士の第一号業務および第二号業務は、社会保険労務士の資格がないと行ってはいけないと決まっているため、たとえ労務管理士の資格を持っていたとしてもできません。第三号業務については資格のあるなしにかかわらず行える業務のため、多くの労務管理士が取り扱っています。

社会保険労務士と労務管理士の違いとは?

社会保険労務士と労務管理士はどちらも労務管理を専門とする仕事という点では同じですが、資格としてはまったく異なるものです。明らかに異なる特徴としては、社会保険労務士は国家資格で、労務管理士は民間の資格という点です。それぞれの特徴のところで説明したように、できる仕事内容の幅も異なります。

資格試験の難易度を比較すると、社会保険労務士は労働基準法に明記されている国家資格である難関資格ですが、労務管理士は書類審査でも合格できる簡単な資格です。

また、受験資格については、社会保険労務士は大卒である必要がありますが、労務管理士は20歳以上であれば誰でも受験可能であるという特徴があります。労務管理士の資格取得の試験は1級と3級の2種類です。

公開講座もしくは通信講座を受講した後、認定試験に合格することで2級が取得できます。労務管理について3年以上実務経験がある方は、書類審査を通過すれば2級は合格です。労務管理士1級になるには昇級審査試験があり、試験を通過すれば労務管理士1級になれます。社会保険労務士は独立している人が多く、労務管理士は会社に勤め、社内で活躍している人が多いです。

社会保険労務士と労務管理士どちらの資格を取得するべき?

独立したいと考えている場合は社会保険労務士、会社に勤めつつ成長したいという場合は労務管理士の資格を取得することがおすすめです。社会保険労務士なら実務経験が少なくても勉強して努力で補うことができ、あとは営業力さえ付けば顧客獲得が可能だから。

ただし、社会保険労務士の開業は実務経験があるかないかに関係なく、3年は経済的に独立できる状態ではないことが一般的で、3年目くらいからやっと食べていけるだけの顧客数に何とかなれるといわれています。労務管理士の場合は社会保険労務士よりも業務の幅がずっと少ないうえに資格がなくてもできる業務ばかりのため、ほかに資格やスキルなどがないと心もとなく、それだけで独立することはなかなか難しいでしょう。

あくまで、労務管理士は人事や労務の実務経験のある人のスキルの向上や、実力を試すために取得するのがおすすめです。会社に所属して人事や労務管理の仕事に従事するうえでは、労務管理士の知識を活かす場面は幅広く想定されます。将来的に社内における労務管理のスペシャリストとして成長できるチャンスにも恵まれるでしょう。

独立ではなく企業に就職や転職を行う場合、人事や労務の実務経験があるなら労務管理士の資格を持っていることで、経験年数の実績の証明となり役に立つことがあります。資格手当がある会社の場合は対象となることがあるので確認してみるとよいでしょう。

一見社会保険労務士のほうが労働基準法に深く精通しているとみられるのは確かですが、社内の人間関係上「社会保険労務士を新米の社員として扱いにくい」という意見も少なからずあり、社会保険労務士の資格が転職の邪魔になることもあります。そのため、転職に有利なのは労務管理士といえるでしょう。

まとめ

ここまで社会保険労務士と労務管理士の仕事内容や役割の違いについて解説しました。どちらも労務管理関連の知識の証明となるという点では同じですがまったく異なる資格なので、取得を考えている方は2つの違いをしっかりと理解し、自分がどんな働き方や仕事をしたいかを踏まえたうえで検討することが大切です。

 

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