社会保険労務士資格を取得するまでの具体的な流れとは?
社会保険労務士の資格取得を目指す方は、資格取得までの具体的な流れをあらかじめ知っておきたいと思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、資格取得までの具体的な流れや試験に合格するために必要なこと、社会保険労務士の資格取得に向いている方の特徴など、社会保険労務士を目指している方に役立つ情報をご紹介します。
社会保険労務士資格を取得するまでの具体的な流れ
社会保険労務士試験を受けるためには、指定の受験資格が必要です。学歴か実務経験、社労士資格以外の特定の国家資格のうち、どれかひとつを満たさなくてはなりません。
学歴は大学や短大、そのほか指定の学校を卒業していることが条件となります。実務経験は具体的には社労士事務所や弁護士事務所などで3年以上の勤務している必要があります。学歴を満たしていないのであれば、自分に社会保険労務士の受験資格があるかをまず確認しておいたほうがいいでしょう。
高卒の場合は、受験資格を得るためにまず短期大学を卒業するのもおすすめです。短大の中には通信制の学校もあるので通いやすく、社労士の試験科目を学ぶことのできる学校もあります。社会保険労務士を目指すのであれば、そうした科目のある学校を選んで学校で勉強しておけば社労士試験合格への近道となるでしょう。
また、指定の国家資格のひとつである行政書士資格を取得するのもおすすめです。行政書士の業務と社会保険労務士の業務は親和性が高く、両方の資格を持っていることでより広範囲の業務を行うことができるようになるうえ、職場の選択肢も広がります。
自分が受験資格を満たしているかどうか心配な場合は、全国社会保険労務士会連合会試験センターに問い合わせて確認することもできます。試験直前ではなく、早めに確認しておくといいでしょう。
社会保険労務士試験に合格するためには?
社会保険労務士の試験は合格率が8%前後と、合格難易度の高い試験です。合格率は年度によって異なりますが、合格率の低い年では2%台という年もあります。
社会保険労務士試験に合格するまでの平均受験回数は3回程度で、社会保険労務士の試験に合格するためには700~1,000時間の勉強が必要といわれています。平日は1日2時間、土・日は5時間を勉強に充てる生活を9か月~1年程度続ける必要があるということです。
社会保険労務士試験は毎年8月に実施されています。形式は完全マークシートで、出題される全科目で合格基準点を取る必要があります。できれば、なるべく短い勉強時間で一発合格できるのが理想です。そのためには、自分に合った勉強方法を探すことが大切です。
社会人であれば、時間や場所を選ばず受講ができる通信講座がおすすめです。学校に行かないと勉強に集中できないタイプなら予備校に通うといいでしょう。自分一人でも長期間モチベーションを保って勉強に取り組むことができる、出題の傾向や直近の法改正といった必要な情報を収集できるという方は独学で試験合格を目指してもいいでしょう。自分に合った勉強方法を選んで、試験勉強に取り組んでください。
通信講座や予備校にも種類があります。通信講座や予備校に通っても合格できなければ意味がありません。安さだけで通信講座を選んで、結局試験に合格できなければ費用は無駄になります。
安いところが悪い、高いところがいいとも限りません。大切なのは自分と相性がよいかどうかです。費用だけでなく、サポート体制やテキストの分かりやすさ、受講のしやすさなど自分の勉強スタイルに合っているかを重視して選んでみてください。
社会保険労務士資格の取得はこんな人におすすめ!
社会保険労務士資格は、既に人事や総務として仕事をしている方のキャリアアップにもおすすめです。会社によっては資格に手当がでる会社もあります。社労士の資格を保有していれば、できる仕事の幅も広がり、より重要な仕事を任せてもらうチャンスも増えます。また、転職時の評価を高め、待遇をよくしてもらうことにもつながります。
雇用問題や労働問題に関心を持っていて、より多くの人にとって働きやすい環境をつくりたいと考えている方にもおすすめです。社労士の資格を取得すれば、会社の制度設計の際には法的な根拠に基づいたアドバイスをするなどして、職場環境の改善に貢献できます。
社会保険労務士の仕事は、健康保険料や有給休暇、年金支給額や災害保険の計算など地味で細かいものが多いうえ、計算間違いなどのミスをすると会社にも従業員にも不利益が発生してしまうため正確であることが要求されます。社会保険労務士資格は、そうした仕事に責任感を持って取り組める方、細かい作業にコツコツ取り組むことや、慎重な作業が得意な方にもおすすめです。
逆に自分は大雑把で丁寧な作業は苦手というタイプは別の資格を選んだほうがいいかもしれません。自分の性格に合った仕事に就くことで、やりがいをもって長く勤めることができます。社労士の資格取得を目指すには時間も費用もかかります。自分が社労士に向いているタイプかよく考えてから資格取得に取り組むといいでしょう。
社会保険労務士の試験は合格率が低く、合格難易度の高い難しい試験ですが、資格をとれば仕事の幅が広がり、よりよい待遇で働くことや、社会に貢献できます。受験資格を満たしていなくても、短大や専門学校に通うなどして社会保険労務士試験の合格を目指すことができます。こちらで紹介した内容も参考に、社会労務士試験に挑戦してみてください。